今後、米中関係はどうなっていくのか?

国際関係において国家間の問題は「外交」で解決しますが、それで解決できなければに相手国に「経済制裁」を課して政治的圧力を加えます。

さらに緊張が高まると「紛争」が起こり、それが「戦争」に発展します。

アメリカは中国の5Gの通信技術は安全保障上の脅威とみなしており、中国に「経済制裁」を課している段階でベトナム戦争以来の緊張状態と言ってもよいでしょう。

今後の両国の関係について予想をしてみます。

 

ちなみに参考図書は下記の3冊です。

 

・「米中もし戦わば 戦争の地政学 」(文春文庫) ピーター ナヴァロ著

・「米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く」(毎日新聞出版) 遠藤誉著

・「中国の行動原理-国内潮流が決める国際関係」 (中公新書) 益尾知佐子著

最後の本は良書ですので、中国とビジネスをしている方々にはお薦めです。

  

本題に戻ると現時点のアメリカの軍事力と経済力では力で中国を押さえ込む力はもはやありません。

軍事力では今もアメリカに軍配が上がりますが、東アジアに限定すると「がっぷり四つ」です。

アメリカの外交政策

・5G(第5世代移動通信システム)において中国には覇権を握らせない

・世界の警察官ではなく地域的な覇権国家になりたい

・経済に打撃を与える戦争はしたくない

<中国の外交政策

・国力に比例し、全世界に影響力を増していきたい

共産党の体制を強固なものにしていきたい

・香港(と台湾)を将来的に完全支配下に置きたい

・戦争はしたくない(が、メンツを潰された場合は戦うこともやぶさかでない)

 

今はアメリカをリーダーとしてイギリスを初めとしたアングロサクソン系の国々が中国に対する包囲網を構築している最中です。

日本は同盟国の一員としてアメリカを支持しつつ、東アジアの大国との不必要な摩擦を避けようとしています。

中国はアメリカのコロナウイルスの混乱と大統領選挙前の隙をついて、香港で「国家安全維持法法」が6月30日に施行しました。

アメリカやイギリス等の国々はアジア人である中国が世界の覇権国家になることはプライドが許しませんし、中国はアヘン戦争後、国家を分断させられましたので、彼らに対する猜疑心が根底にあります。

それに交渉スタイルも中国は独特なので、お互いが誤解が生みやすくなっています。

なので南シナ辺りで軍事衝突はあり得るでしょう。

そして最終的に次のように落ち着くと考えています。

・海洋国家のアメリカ陣営は大陸国家の中国を封じ込めようとし,両陣営に分かれる

・緩やかなブロック経済のような形になるが、経済的に分裂する訳ではない

・中国が今までの態度を改め、国際協調を少しは重視する

アメリカは軍隊を世界から撤退させていく

結論から言うと核戦争とかには至らずに小競り合いに起こるかもしれませんが、落ち着くところに落ち着くのではないでしょうか?