ヨーロッパの王族もそうですが、皇室は一般社会とは隔離された極めて特殊なグループなのです。
皇族は戸籍にも載っていませんし、罪を犯しても刑法で裁くことが出来ません。
憲法14条は国民の法の下の平等を謳っていますが、皇族は適用外です。
また憲法上、天皇は国家元首ではあるものの象徴天皇制となっており、政治的な関与は認められておらず、これは第二次世界大戦における反省からくるものです。
実際には皇室や皇族自体が絶大なる権力を持っており、更に政治的権力という刀を与えると歯止めがきかなくなるからです。
また同性婚や夫婦別姓などリベラルな傾向が顕著になっていますが、これはわたしたち一般人だから許されるのです。
天皇家は家系を絶やすことは許されないので、1947年に公布された皇室典範では第一章が皇位継承になっており、その第一条に「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」とあります。
元々、明治時代までは天皇は側室を設けていましたので、皇位継承は今ほど差し迫った問題になることはありませんでした。
一方、一般の人は法律上は一夫一婦制が義務づけられているので、側室を置くことは時代の流れで難しくなった面もありますし、側室を置いたら置いたで嫉妬や怨念も生まれます。
正に「源氏物語」の世界です!
女系天皇制の問題点は世界の歴史が証明しています。
小笠原弘幸著の「オスマン帝国」(中公新書)には「オスマン帝国が国土の分割を基本的に経験せず、長きにわたる命脈を保ち得た理由のひとつは、この兄弟殺しによって、君主と同年代の皇位継承候補者を制限した点に認められる。」(P.80)とあります。
つまり1451年に即位したメフメト二世はイスラム法に反し乳児だった弟を殺し、それから1595年にメフメト三世が即位の際に19人の兄弟を殺すまでこの伝統は続きました。
日本史を見ても妻や僧侶、武士などの部外者が口を夾みだしたら、その一族は滅びていくことが分かります。
一方、皇室を弱体化したい勢力は女系天皇制を推進します。
伝統ある皇室や王室が家系を守るということはそういうことなのです。